「妻の言葉が、彼女を全力で支えるための原動力」
と語るスティーブ・クルトさんはミシガン州に住む男性。
7歳になる息子ギャビンくんが生まれた時、当時婚約者だった彼の妻カムレさんは、脳卒中を起こしたのをきっかけに、記憶をすべてなくしてしまいました。
スティーブさんは、カムレさんが記憶を取り戻すために、いちばんいい方法を考えました。
2人の初めてのデートからギャビンくんが生まれるまでの、10年間の思い出を一冊の本にしたのです。
A woman lost her memory in childbirth so her husband wrote a book of their love story l GMA Digital
誰だか覚えていないけど、あなたを愛していることはわかるわ
スティーブさんのノンフィクション書籍
“But I Know I Love You”
は、2人の4回目の結婚記念日に自費出版されました。
カムレさんにとっては、自分の思い出が詰まっているはずの夫の本。
「とても楽しんで読めたわ。でもいろいろあって、今はちょっと複雑です。時々、辛いなぁと感じます。だってそこに書いてあることは全部、2人で経験したはずなのに私の知らないことだから。」
と、本の感想を語るカムレさん。
妊娠当初は順調だったカムレさんの健康状態は、妊娠後期に入ってから少しずつ悪くなりました。
33週目を目前にして呼吸困難を起こし、緊急治療が必要な状態になりました。
後から判明したことでは、この時カムレさんは妊娠中毒症を患っていて、高血圧症からお腹の赤ちゃんに酸素が回らない状態にあったようです。
けいれん発作を受けて緊急帝王切開が行われ、ギャビンくんはわずか2kgの体重で生まれました。更に、カムレさんの脳には脳出血が起こってしまい、脳の損傷と記憶障害が残る形になりました。
カムレさんが意識を取り戻した時、自分が誰なのかも、出産を終えたばかりであることも、わからなくなっていたのです。
新生児のギャビンくん同様にカムレさん自身もまた、一から人生をスタートさせることになりました。
長期記憶と短期記憶の両方を失ったカムレさん。
家族の思い出を無くしただけでなく、身なりを整えたり、歯磨きをしたり、といった日常生活の小さな動作を、紙に書くなど工夫して繰り返し覚え直す必要があったそうです。
退院後は両親と実家で療養を始めたカムレさん。
スティーブさんがそこへ会いに行き、2人でソファに座っている時の事でした。
会話の中でカムレさんがこう話しました。
「自分がどこにいるのかわからない。あなたが誰なのかもわからない。どうして自分がここにいるのかもわからないけど、あなたを愛していることはわかるわ。」
この言葉が、スティーブさんにとって、カムレさんとの暮らしを取り戻すという希望の原動力になっているのだそうです。
今回の話題を紹介しているアメリカの人気ニュースチャンネルGood Morning Americaの公式サイトでは、スティーブさん、カムレさんのコメントを始め、カムレさんのトレーニングをサポートする、作業療法士のジェシカ・スミスさんのお話も紹介されています。
ジェシカさん
「カムレさんと初めて会って話す時、彼女はとても愉快な性格で上手に受け答えするので、こんなに大変な診断をされた人だとは誰も思わないでしょう。カムレさんは、“子供の歩き始めとか初めてママと呼んでくれた時のことを思い出せないのがとても困る”と言います。それは母親たちの間でよく話題に昇るから。そんなわけで、私達は何度も同じ内容の会話を練習しているんです。」
日常生活を楽しもうとするカムレさんの前向きな姿勢が窺えますね。
また、日本語版の出版はされていませんが、Amazonで販売中のとても力強い2人の実録ラブストーリー書籍は、スティーブさんのfacebookでも最新情報が確認できます。
こんな素敵なエピソードを知ってしまうと、今まで当たり前に過ごしていた毎日がとても愛おしく感じられます。
海外の人々の反応を見てみましょう!
・泣いてしまった😭なんて美しいんだ。そして素晴らしいご主人。
・映画『50回目のファースト・キス』を思い出したよ。
↑私もそう思った🤔リアル50回目のファースト・キスだ。
・悲しくて、いいお話。
・とても悲しい😥
・妊婦検診は大事。妊娠中毒症は診て貰えば診断できるし治療できる。未診断の妊娠中毒症がけいれん発作を招くことがあり、これは脳卒中の発生に繋がります。専門サイトの情報では、100人中2~8人の妊婦さんが妊娠中に妊娠中毒症を経験するらしい。女性たち、気をつけて。すべての女性は美しい!!!
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